北ノ俣、黒部五郎、双六、新穂高報告 報告:のーきょー


【山行名】北ノ俣〜黒部五郎〜双六〜新穂高
【日程】2009年4月25日〜29日
【山域】北アルプス
【メンバー】ペテガリさん,いるかさん,えださん、のーきょー

【行程】
25日 19時半 茨木IC出発、飛越トンネル手前で前夜泊
26日 9時ころ出発、14:40北ノ俣避難小屋着
27日 7時ころ出発、8時半頃、2420mあたりでテントを被って待機開始
    13時半頃まで待機し再出発。
    14:20北ノ俣岳、
    17:30黒部五郎北側稜線、
    18:30黒部五郎避難小屋着

28日 6:30出発し、黒部川まで滑走、黒部五郎カールのピークに登り返して滑走。
     半日遊んだ後
    12:30黒部五郎避難小屋を三俣蓮華に向けて出発
    15:15三俣蓮華岳
    17:00双六避難小屋着

29日 5:30出発
    7:40大ノマ乗越
    9:40小池新道入口
    11:30新穂高

オートルート。いつかは行ってみたいと思っていたが,長期休暇を取らねばならないこと,重荷を背負っての縦走に耐えられるか,そもそもパーティが成立するのか,という心配・問題があった。幸いにも今年のGW前半に2日間の休暇を取り,行ってくることができた。

当初は,定法どおり,立山から入山し,薬師を越え,黒部五郎を越えて,双六から槍ヶ岳に向かう,という計画だった。しかし,直前になり天気予報で24,25日の土日の悪天候が決定的になった。特に土曜日は二つ玉低気圧の通過で,山は大荒れが予想された。日曜日も冬型が決まるので,厳しい条件だと思われた。急遽メンバーとメールで協議し,日程の短縮・ルートの変更を決めた。

25日(土曜日)

えださんを阪急茨木で拾い,19時半にいるかさんと茨木で集合。さらに瀬田西バス停でペテガリさんをひろって高山経由で打保に向かった。飛越林道の状態は知らなかったが,飛越トンネルまで無事に行けた。林道入り口は一応閉鎖してあったが,厳密な封鎖ではなく車の通行は可能。道路上にも雪は全くなかった。下山後に宝タクシーの運転手さんに聞いたところでは,通常年だと飛越トンネルまでの通行が可能になるのは5月中旬ころ。今年は2週間以上,融雪が早かったようだ。おかげで林道歩きをせずにすんだことは有り難かった。飛越トンネルにはまだ蓋がしてあった。手前に車を止め,その横にテントを張って仮眠。夜半には雪が降り積もり,起きたらあたりは真っ白だった。


 【飛越トンネル入り口で仮眠、起きたら真っ白】

26日(日曜日)

今日は天気も悪いし,北ノ俣避難小屋までの行程なので,ゆっくりのスタート。スキーを背負うと入山で重いザックが余計に重い。夏道をとぼとぼとあがる。30分ほどで雪が出てきて,スキーをはくことができた。途中2箇所の尾根の屈曲点でお約束のルートロス。GPSがあるので,すぐに分かるからいいんですが。降雪が続いている。風もあるが,樹林帯の中なので大したことはない。


   【下部の樹林帯を登る】

14:40 北ノ俣避難小屋着。小屋から上に格好の斜面がある。荷物を降ろし,空身で登り、滑走。良いパウダーです。小屋の中に4テンを張り,シールやウエアを乾かす。避難小屋の横に水が引いてあり,水作りもせずにすんだ。なかなかいい避難小屋でした。

   【北ノ俣避難小屋】

  【避難小屋内部の様子】

   【避難小屋上部の雪面】

27日(月曜日)

JACの春山天気予報では,本日のお天気は、北ア南部が「引き続き冬型の気圧配置となるが,次第に弱まる。このため朝まで風雪が強いが,槍の稜線や常念山脈では日中青空が出る。」,北ア北部は「引き続き冬型の気圧配置となるが,次第に弱まる。このため午前中は風雪が強いが,次第に弱まる。」というものだった。

とりあえず,北ノ俣避難小屋を出発。1時間ほど進むが,風雪が強い。歩けないほどではないが,稜線に出たらもっと厳しいだろうし,ガスで視界がないので,スキーでは苦しい。標高2420mあたりの平らな場所でフライをかぶり,天候回復待ちをすることになった。今日の目的地は黒部五郎の避難小屋。待機場所からは4〜5時間の行程だと思われた。18時半ころまでは行動可能だし,万一遅くなってもGPSを頼りに動けるだろう。ということで,14時をリミットとして,天候回復待ちをし,ダメなら北ノ俣避難小屋に引き返そう。ということになった。

コンロを出してお湯を沸かし,飲み物を作ったり,プリンを作ったり。しばらくすると雪が止んだ。太陽が顔を出したらしく,テントの中が一気に明るくなる瞬間もあった。しかし,一進一退の状況。13時すぎになると風がはっきり弱くなり,ガスも薄くなったように思われた。行けそうなので,とりあえず稜線まで出てみようということになった。スキーなのでダメなときの逃げ帰る足は速いし。

  【フライを被ってプリン作り】

準備して13時30分再出発。登高するに従い,青空ものぞくようになった。稜線も十分歩ける状態。そして一気にガスが晴れ,北ノ俣山頂までの稜線が一望できるようになった。みんな歓声をあげた。貸し切りの稜線をうきうき進み,北ノ俣山頂からはパウダーを満喫。トラバースして登り返しを避け,効率よく進む。夕闇が迫っていたので黒部五郎のピークを踏めなかったのは残念だったが,そのかわり,五郎カールへの滑降は,文句なく今年一番のパウダーだった。重いザックにもかかわらず,下手くそスキーにもかかわらず,ターンが決まる。カールの底からもトラバース気味に下り,そのまま黒部五郎の避難小屋に滑り込んだ。雪がいいので,トラバースも楽だ。

  【北ノ俣山頂】

【北ノ俣からの滑走。5時間耐えた甲斐あって開放感で一杯】

  【トラバース】

  【黒部五郎カールの滑走。ふかふかの雪でした。】

小屋の中にテントを張り,宿を確保。今日も貸し切りである。冷え込みは厳しいが,星も見えており明日あさっての好天は約束されている。双六にも避難小屋がある。火曜日は双六避難小屋泊まりとすることにし,黒部五郎で半日遊ぶことになった。北ア最深部を4人で貸し切りにして,これ以上のぜいたくはない。

  【黒部五郎避難小屋】

28日(火曜日)

今日は晴で気温も上がる。春のパウダーの命は短い。早起きして,小屋の前の小ピークに登り,そこから五郎沢を黒部川まで下った。小屋に荷物を置き,緊急装備だけの軽装なので,楽チンだし,今日もいいパウダーで滑りが楽しい。黒部川を見たあと,いるかさんと五郎カールの斜面を滑りにいく。結構な傾斜でちょっとだけエクストリーム。

  【黒部五郎をバックに】

  【黒部川まで下る】

 【黒部五郎下部の小ピークから滑走する私】

半日たっぷりパウダーを堪能したのち,午後,双六へ向け出発。小屋の前の斜面を登り,三俣蓮華岳へ。固いところもあるが,新雪が積もっているので,すべてスキーで行けた。えださんはクトーなしで登り切ってしまった。

山頂はさすがに風が強い。トラバースして双六小屋に滑り込むべくカールへと下る。最初は急だが,登ってきた人のトレースがあった。雪はだいぶ重くなってきたが,まだ行ける。カールの底に降りてからは,延々トラバース。途中,2854mから東に伸びる尾根を回り込むところが氷化していて,滑落した。すぐに止まったが,ヒヤッとした。雪質がめまぐるしく変わるので,大変。途中,少しだけシールを付けて登り,再度,トラバースで双六小屋へ。

  【双六山頂でパンダナショット】

双六避難小屋は2間にトイレ付き。結構広いが,我々が着いたときは,既に単独行の人が3人いた。かろうじて4テンが張れるスペースが残っており,3日連続で避難小屋にテントを張って暖かく過ごせた。小屋の中にトイレがあるというのもありがたい。

  【双六避難小屋】

終日快晴。山頂では風が強かったが,まあ,そんなもんだろう。

29日(水曜日)

下山日。小屋の前から双六谷を滑り降りる。既に雪面が固くなっている。大ノマ乗越への登りはかなり急斜面。いつもはカチカチらしいが,確かに凍っていたらかなり怖いだろう。この日は積雪の後なので,柔らかい部分も残っており,助かった。大ノマ乗越から最後の滑り。先行の人はザックにザックカバーを付けて荷物だけ滑らせ,空身で滑っていった。谷が割れているところはないので,どこかで止まるはずだという。荷物が壊れなければ,これはなかなかいいアイディアだ。

  【下山日の朝。今日もいいお天気】

【大ノマ乗越から弓折への稜線。出だしは急。そんなに固くなくて助かりました】

  【少し下って稜線を見上げる。】

  【ペテガリさんの華麗な滑走姿】

  【いるかさんの滑走】

昨日一日で固くなった新雪の上を滑り降りる。シュガーダディならもう少し滑れるのだが。残念。下るにつれて雪は重く,春の雪に。小池新道の下部では,昨年末に雪崩で埋まった人の遺体捜索をやっていた(5月2日に発見された)。

わさび平の少し下までスキーで下れた。あとは林道歩き。林道歩き用に靴を持ってくるべきだったか。スキー靴では足が痛い。11:30下山完了。

  【わさび平からはつらい林道歩き】

  【新穂高にて。下山完了】

新穂高で宝タクシーを呼び,飛越トンネルまで。16700円也。飛越トンネルで車をピックアップし,途中,ひだ流葉温泉で入浴と食事をして帰阪。

充実したいい山行でした。大満足です。

パーティー4名の力量が揃っていたので,スピーディに行動できたし,天候の悪化もうまくかわしてパウダーを楽しむことができた。久々の雪山テント泊山行だったが,3日とも避難小屋の中にテントを張れたこと,いるかさんがきちんとした食糧計画を立てて準備してくれたので,非常に快適に過ごすことができた。感謝です。



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