刈安谷遡行記 報告:Taq
大峰山脈奥八人山北側の滝川支流刈安谷の遡行報告です。
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[日 程]2001年9月2日
[天 気]曇り
[メンバー]小山伏、Taq
[行 程]時間 :9:00笹の滝発−9:30笹の滝上−10:30ホホゴヤ谷出合の滝−11:30〜12:00四つ滝下で昼食−1:20四つ滝上−2:25夫婦滝−3:00ホンミチ教の囲い−4:00終了
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ホンミチ教入り口の「鉄の扉」から出所して、舗装された林道を20分ほど歩くと出発点の笹の滝に着いてしまった。教団の敷地内をかなり下ったとはいえ、たいしたことはない。刈安谷はこんなにも短く高度差もない。なのに時間もかかりいろいろあった・・・
笹の滝を右からはいるガレ谷から巻き、急なルンゼを(5mほど懸垂)降り立ったところが笹の滝の落ち口。かなり広いがそこは底だ!
ホホゴヤ側に急峻な岸壁が立ち、上流は大岩の裏に10m直瀑。右岸のいやな草付きに取り付き高巻きにはいる。
この谷の構造は左岸に100m近い岩搭が2つ並んでいてその岩搭のあいだを、まっぷたつに裂くようにホホゴヤ谷が落ちている。
上流側の岩搭で谷はかぎ裂き様にねじ曲げられていて、その上流は平流になり四つ滝の段があって、さらに平流が(小さなゴルジュがあるが)夫婦滝まで続き、源流になる。というふうである。
右岸の高巻きの途中、対岸の高い所に滝が落ちている様に見える
「ホホゴヤの出合やで・・・」でもなかな川底に降りられない。
少し行き過ぎてからやっと降りれた。
小山伏は対岸の下流めがけて小走りに行き「わぁー!」と歓声を上げた。
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「メチャメチャスゴイ!!!@@@ こんな滝見たことないわ」
岩と砂の広場は三方が高層ビルに囲まれていて、正面の壁に窪みが縦に走り、そこに滝が落下している。
まさに煙突を断ち割ったような滝である。
煙突は2〜4mぐらいの直径で、30〜40mガーンと立っている。
まだその上に少なくとももう一段もっと規模が大きそうなのがあるようだ。・・・しばらく呆然・・・
「Taqさん、この側壁木登りしてホホゴヤ谷出合からの遡行しましょうよ・・
この前(去年11月)はここ、登る予定やったんやケド・・・」「アホか・・・」
そのまま左岸から5mを巻き、河床に降りると3段ほど連瀑がありその上で谷は行き止まりの壁になってる?ん?
よく見ると壁の右から細い流れが落ちている様子。きっちり直角に曲がって細い廊下になっているようだ。
ルート図では左岸の見上げるような岩搭めがけてルンゼを登るようになってるが「ホンキカイナ?」
右岸なら巻けそうなので弱点を縫いながら巻き登っていくと「少し危険な遊歩道」のような感じになり、90度屈曲点がよく見える。まさにかぎ裂き!
途中トラロープなんかがあり屈曲点上流に下りると今までの圧迫感はなくなり平流になった。しばらくで四つ滝に着き昼食にした。
四つ滝は釜を持つ立派な滝が3つ半続いて落ちている。目の前の滝は両開きのドアが閉じていて水があふれ出ているような造形である。
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左から巻き二段めの釜に出てしまい、左のルンゼを詰めにかかったがこれは行きづまり。けいなことばかりして1時間ほど余計にかかった。ここは二段めの釜に出ないでずっと巻きあがるべき。
そして広く開けた感じになりしばらく行くと左岸から幾筋も水が噴き出し、その先で大きな岩が立てかけたようになっていてさらに側からも滝が落ちてる。
本流の3mを越えてミニゴルジュ状になり、やがて夫婦滝に着く。
きっちり左右120度の方角に20mが落ちて谷は行き止まる。(よく行き止まる谷だ)ここも珍しい光景だ。左の滝手前の蛇のいるガリーを抜けしばらく辿ると、二股様になり土手を上る。
となんと金網が張り巡らされ中では3人ほど畑作業をしているではないか。こんな山奥で・・・・
「そうかホンミチ教団や」
行っても行っても金網が途切れない。そのうち指導者らしい人が湧いてきて「ここに道はないので戻って欲しい」
「んなアホナ、やめてんか。ここに道書いたあるやろ」
「わっ、こんな詳しい地図持ったはる」
「笹の滝まで引き返せとは言えないから案内しましょう」
こんな山の中がきれいな畑になったり、梅園があったりしている。
峠を越え、強引に尾根を下っていくと、採石場に出た。
大きな御影石?を切り出して、巨大なケーブルで運び出してる。
下り終えたところが「鉄の扉」である。
「すいませんが・・・・・・」
無事、出所できました。(^^ゞ