相野谷・立間戸谷・地蔵谷

仲間は、冬山や山スキーに、賑やかに出かけている。
易しくて、きれいで、凄くて、暖かくて、大ゴルジュに一等三角点に、1000mのナメだ〜、って言 ってるのに、誰も来ない(;_;) 結局、二人になってしまった。
早朝発の予定が、二日目に天気が崩れそうなので、前夜発に変更して王寺を出発。 本宮の道の駅で、Kingo君が眠たいとと言うので、テントを張ってビバーク。 小宴会の後、2時ごろ、「朝、起きれるだろうか?」と話しながら就寝。
しかし、それは杞憂だった。 4時ごろ、急な冷え込みの為、二人とも目覚める。 南紀は暖かいぞ〜と言った手前、シュラフを持ってきていない(^^ゞ とても寝てられない。車のフロントガラスには、びっしりと霜が凍り付いている。 テント撤収して、先を急ぐ(^^ゞ
すぐ、夜が明けた。 ジェット船を過ぎ、三和大橋を渡って、熊野川左岸の道を行く。
飛雪ノ滝に感嘆の声を上げ、桐原に抜ける林道に入る。 子ノ泊山に登る4つ目の登山道入り口が、相野谷だ。
落打滝300mの看板がある。 端を越え、牛の背の先で、駐車。 7時20分入谷。

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    [日  時]2000年3月18日〜20日
    [天  気]快晴・曇りのち雨のち快晴・快晴
    [メンバー]Kingo、小山伏
    [地  図]大里
    【報  告】小山伏
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【一日目】
[二本の大滝を越える]
橋の左から谷に降りる。 河原を右に折れると、落打滝40mが落ちていた。 きれいな淵を持った、末広に白糸のように水を垂らす、立派な滝だ。 両岸は50mの壁が立ち、滝の後方には、100mの嵒が青空をバックに峭立している。 岸には、椿の花が今を盛りと咲き誇っている。 谷で、こんな綺麗な椿を見るのは始めてだ。 さて、左手の壁の際を木を掴みながら登って行くが、次第に立ちだす。
どうしよう(^_^;)と、そこでMOGUさんのおまじないを思い出した。「二級の沢が、難しいわけが無い」 後にいる、Kingo君に、左手のルンゼから巻き登って貰うと、果たして壁の上にバンドが通っていた。 ところが、このバンドが結構いやらしく、所々落ちていて、丸木を番線で括って橋にしていたりするの だが、完全に腐っているものもある。 (返って危ないので、一部蹴落としてきた(^_^;)
要所にはロープも下がっているので、なんとか通過できたが、お助けがなければ、二級とは言い難いも のがある(^^ゞ 滝の上には、5m程の斜瀑がゴルジュの中に3本掛かっている。その上の瀞をやり過ごして谷床に降り る。 ゴーロの中を行く。 淵を持った2mナメ滝が2本あって、左から涸れ谷を入れ、谷はクランクに曲がると、石垣があって、 右から支流が入る。 地図には滝記号があるが、それとは分からなかった。 ゴーロを歩くのも面倒なので、左岸の踏み跡を辿ると、左から涸れ谷が入り、谷は右折。 岩間にかかる5mを越えると、右から大きな大きなガレ谷が入る。 と、本流奥の方に右手から、50mの滝が落ちているのが見えた。 淵を持った5mを越え、大滝の下に立つ。
右手の壁は80m、左手は100mの柱状摂理。立派ぁ〜(^O^)/ 小さな淵に真っ直ぐ落ちる、立派な滝である。 右岸に沿って延びる壁の端まで戻り、リッジに取り付く。 100mの壁にぶつかって、踏み跡は左に逃げている。 しかし、100mの柱状摂理の天辺に出たいので、戻るように右へ右へ岩を攀じ登り、壁の天辺に出た (^_^)v足下に滝が落ちている。 山腹を落ち口の先へ降りる。 (ここまで、1時間55分)
滝の上は、ナメになっている。50mの嵒にぶつかって、左折している。 戻って、落ち口まで行くが、覗き込むだけの勇気はなかった(^_^;)

[子ノ泊山頂まで]
谷は、この先、曲折を繰り返しながら300mのナメをかけている。 ゴーロになり、右から5m、左壁に15m、本流に淵を持ったナメ滝5mに続くナメを越えると、正面 に30mのナメ滝が入り、谷は左折する。 一旦ゴーロになるが、すぐ20mのナメ。 この先、ゴーロとナメが交互に出てくる。どこまでを一つのナメと数えたら良いのか分からないが、2 0m程のナメを7つ越えると、苔生したゴーロになる。 この先、750m辺りで、左に入るスラブ滝を越えると、子ノ泊の山頂に突き上げるのだが、見逃して しまった(^^ゞ
真っ直ぐ西へ、多段10mを越え、やがて水も無くなり、谷も藪に埋まるので左に逃げて尾根に乗り上 げた。 子ノ泊山の北のタワ辺りである。 ところが、ここで驚いた(@_@) 稜線上に林道が通っているではないか。 林道は、山頂をかすめて立間戸谷と地蔵谷の方に分かれて降りている。ああ、これで子ノ泊山も登る価 値が無くなってしまった(;_;)
取り敢えず、林道を辿り山頂に立つ。 (ここまで、1時間50分)
山頂には、5人ほどのパーティーが居た。 リーダーは半袖のTシャツ一枚で、元気、元気。 何処から来たのかと聞くと、なんと、王寺。小山伏の地元ではないか(^.^) しかも、駅前の居酒屋で、MOGUさんに名刺を貰ったと言う。 なんと、世間は狭いもんだ。 さて、時間も早いので、のんびりと春霞のかかる尾鷲の海を眺めて、時を過ごす。

[テン場まで]
今日のテン場は、立間戸谷の小屋上流の河原だ。 林道を辿ると、850mまで降りていた。 そこから、登山道を右にとって、河原に降り立つ。 (ここまで、40分)
まだ、2時前。 下のブナ平まで十分降りれるが、明日はどうせ半日行動だろうから、ここをテン場にする。 思いっ切り倒木を集めて、日暮れを待ち切れずに火入れ式(^o^)丿 酒が入ると睡眠不足も手伝って、焚き火の傍で寝入ってしまう。なんと気持ちの良い(^_^)v 満天の星空の元、昨日の寒さが嘘のよう。 8時ごろ、暖かい眠りについた。

【二日目】
朝、6時。うぐいすの鳴き声で目を覚ます。 ケキョ、ケキョ、ホーケキョ。まで下手だ。 少し雲が多い。昼頃から崩れそうだ。今日は、ブナ平まで降りて、ゴルジュをやって戻ってくるつもり だ。 テントもそのままに、8時過ぎ出発。

[立間戸谷、大滝群]
河原を辿り、すぐ小屋跡。ここから登山道を下る。 尾根を乗り越すと、正面に200mの嵒が立ち、足下には50mの大滝が落ちている。 ブナ平まで、一気に下る。 (ここまで、45分)
本流の10mの滝をやり過ごし、左又に入る。 すぐ左手に200mの柱状摂理が聳え立つ。ビョウブ嵒だ。 大岩のゴーロを越えて行くと、右のハングした壁から80mのびょうぶ滝が覆い被さるように落ちてい る。 何度見ても、感激する。 びょうぶ嵒の中程に、スズメバチの巣がぶら下がっていた。 「天敵も居ないのに、なんであんな所に巣を作るんだろう?」とKingo君。朝から、悩むような質問は 止めて欲しい(^_^;) ゆっくり見物して、本流出会いまで戻る。 (びょうぶ嵒、往復20分)
10m斜瀑の奥の壁に左手から堂々とした滝が落ちているのが望める。 右手の木の根を伝って登り、ナメを辿ると、70mの牛鬼滝。上部2段から落ちた流れは、中程で岩盤 を伝って滑り落ちる。 きれいな滝だ。 右手滝そばを木を掴んで登る。 谷は右折し、大きな淵の先に30mの斜瀑が落ちる。 右手の潅木を伝う。正面奥に、200mの嵒が聳えている。 谷は左折し、ナメの先に50mの直瀑。尾根から見えていた滝だ。 左手のリッジに取り付き、滝の高さで、岩にぶち当たるので、バンドをトラバースして、落ち口に出る。 ザイル無しでは怖い。 周りは、100mを越える壁の底である。 ナメ床が左折し、淵を持った50mが落ちている。 右を巻くと、その上に10m斜瀑。 これも右を巻くと、そのままリッジに登ってしまいそうだが、一旦河原に下りる。 壁の底で右折した奥、丸く壁に囲まれた中に、60mの堂々とした滝が、丸い淵に落ちている。 戻って、リッジに登る。 右200m、左100mの痩せ尾根を這いつくばって登り、左足下に先程の60mの滝が見える辺りで、 樹林帯に逃げ込む。 真っ直ぐトラバースして、その先の淵を持った4m斜瀑も越えて谷に降り立つ。 (ここまで、2時間25分)
先程から、雨が降り出した。 急いでテン場に戻る。 50mのナメを辿ると、小屋跡に出て、テン場はすぐそこだ。 (ここまで、12分)

[お泊り]
テントに飛び込んで、一杯やって、一眠り(^_^;) 雨は大した事も無く、やみ間もある。 倒木を集めて火を入れると、濡れるのと乾くのとの競争である。 上手い具合に、食事時に小止みになり、盛大に焚き付ける。 食事が終わった頃、本降りになり、テントに逃げ込み宴会の続き。
9時頃、寝ようかと思ったら、外が明るい。 顔を出すと、皓々とした月が照り、星もまたたいている。 あまりにもったいないので、焚き火のそばで宴会のやりなおし(^_^;) Kingo君が、「さっき、あそこにあった月が、ここまで来てる〜」 「おお、これなら、2時間くらい経ってるなぁ〜」 と、自分の言葉にはっとして時計を見ると、12時前であった。慌てて寝る (^_^;)

【3日目】
昨日と同じように、6時ジャストに鶯に起こされる。 でも、夜中まで騒いでいたので、中々起きれない(^^ゞ 山が、ゴーゴーと鳴っている。天気は良さそうだが、北風が強い。 うだうだ言いながら、9時前に出発。
[子ノ泊山まで]
河原を暫く辿ると、10m程のナメが現れる。これが序奏。 その先で、正面に支流が入り、この奥にもスラブが登っているのが見える。 左折し、すぐ右折。大岩の間の5m斜瀑を越えると、いよいよ1000mのナメの始まりだ。 一見、50mのナメ滝に見えるが、行けども行けどもナメが続く。 左から、右から、支流がナメになって入る。 最初の二俣を左に取る。右手の谷に沿って、登山道が登っている。 次の二俣は、右の方がナメが少し長いが、子ノ泊山は左の方が近いので、ここも左を取る。 すぐナメは終わり、左手に木馬道が登っている。 これを登ると、昨日降りてきた辻、林道終点に出てきた。 林道を辿って山頂に。 (ここまで、1時間10分)
あまりにも、すんなり来過ぎて、時間もあるので、地蔵谷を下る事にする。 これで、子ノ泊山に突き上げる3つの谷全部を辿る事になる。

[地蔵谷、下降]
北東の登山道を50m程下ると、右手に踏み跡がある。そこから、地蔵谷に入る。 植林の中、杉の葉に埋まる谷を下る。 左に枝谷を合わせ、右に50mのスラブ滝が入り、三俣に出る。 果たして、そこからナメが始まった(^_^)v 途中、8mのナメ滝をかけるナメが、400m程も続いている。 とっぱなでKingo君が滑ってしまい、びびってしまう(^_^;) 右岸を辿り、8mナメ滝から左に移り、又途中から右に移り、ガレに出た。 今までのナメを滑り落ちた岩屑が、全てここに集まっているようだ。 右からガレ谷を合わせる。 ゴーロは歩きにくいので、左岸の植林道を辿り、右岸に移ると、左から15mのスラブ滝が落ちる。 その先で、10mのナメの先に滝が落ちているみたいだ。 淵を持った10mを覗き込んで、右手の巻き道に入ると、その下に更に30mの滝が落ちている。 左岸には100mの嵒が聳え、右手も断崖の上の巻き道になっている。 要所にはロープが下がっているが、緊張する。 壁の間をトラバースして、スラブを越え、大きな藪の埋まる支流に出る。 左岸の植林道を下り、出合いに下りる。 ゴーロを戻って滝見物。 末広の、岩壁を滑り落ちる30m滝。地図上にも記号があり、地蔵滝と名づけてしまう(^^ゞ 釜には、一抱えもある流木が埋まっている。岸には、椿が満開だ。 左岸の杣道を辿ると、2段6mを見て、その先で壁の中に滝が落ちている。 そのまま左岸を巻いて滝を過ぎると、右岸に支流が入り、その右岸に、200mの柱状摂理の大嵒が聳 えていた。 支流の入り口は、壁が剥がれ落ちた、大阪城の石垣のような巨岩が埋まった、すざましいガレ谷である。 本流の滝は、15mの直瀑が、壁に真っ直ぐに落ちる。 谷は、ゴーロの伏流になり、左岸の杣道を辿り、2mの滝の先で、右に渡ると、林道の橋が見え、壁を 避けて、橋の右手に道は降りていった。 (ここまで、1時間45分)
本流を覗くが、ただのガレ谷であるので、林道を戻る事にする。 橋を渡ったところから、登山道が登っていた。 林道から覗くと、支流がものすごいガレになって、堰堤に落ち込み、本流にも堰堤がかかっている。 降りなくて良かったと二人で話し合う(^^ゞ 暖かい林道を、のんびりと行く。車も通らない。北東に見える山並みは何だろう? やがて、一昨日入った橋に着いた。 (ここまで、20分)
牛の背の看板が気になるので見に行く。 両方、50m程切れ落ちたナイフリッジだ。 もっと凄いところに行って来たので、写真だけとって帰る(^^ゞ

[後記]
南紀の谷は、どれもナメが楽しい。 何で、皆、来ないんだろう? 浅里の里まで降りると、八重桜が満開。 南紀は、春真っ盛りである。 川湯温泉の千人風呂は終わっていたが、公衆浴場で、缶ビール片手に汗をながす(^_^)v 五条を抜けた辺りで、日が暮れ始め、真っ赤な満月が、大和三山の上に大きく掛かっている。 正に、ルナティックな三日間であった。

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