八木尾谷 報告:のーきょー

 夏休み山行準備第3弾。黒石谷、鈴ヶ沢に続いての沢登り。行き先については色んな案が出たが、穴馬の八木尾谷になった。Fのさんは遠いが、富山から大台・大峰まで来ることを考えれば南紀も誤差の範囲内か。直前になって参加者にLeoさんが釣れ、「登れる大物」を迎えて登攀系山行に一転、充実の山行になった。

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【日程】2012年8月4日〜5日
【山名】南紀
【行程】八木尾谷〜ぶなの平〜前百森山〜出合
【メンバー】Leo、いるか、Fの、のーきょー
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●8月4日
 土曜朝、五條で集合し、169号を南下。なでしこ観戦が堪え車中で爆睡。Leoさん、無理を言って済みませんでした。運転、ご苦労様でした。

 八木尾に到着し、橋の手前から八木尾谷沿いの細道に入り、最後の民家の前にある空地に車を止める。民家の住人夫妻が降りてきて、話しをする。昔、大阪で働き、定年になってから生まれ故郷近くのこの地に終の棲家を定めたのだという。自然を満喫する生活のようだ。家の裏には、丸太をくりぬいた日本ミツバチの箱が置いてあった。


 去年の水害で、4つあった堰堤のうち、2つは破壊された、という。行ってみると中央突破されていた。しかし、堰堤の中央部が壊れ、そこに流れが集中した結果、堰堤下流の両岸は、被害を免れたのかも知れない。

 水のない荒れた河原を3〜40分も歩くと次第に沢らしくなってくる。

 高さはあまりない小滝で、大きな釜を持っている。そんな形の滝が多い。泳いで取り付きさえすれば、そんなに難しくなく登れる。怪我の心配なく楽しめる沢だ。それでも、いくつか渋い登りも。

 出だしからゴルジュ。


 最初の滝は、登れそうにない。左岸を高巻き。


 次は右手をフリーで抜ける。


 2段6m


 滝の右手をLeoさんが空身で登る。乗越しの手前に残置ハーケンがある。残置以外、支点も取らず、わりに簡単に登ってしまった。後続は確保があるのでザックを背負って登る。残置ハーケンにシュリンゲも残置されている。そこから1歩あがり、最後の上に抜けるところで、よいハンドホールドがない。左手に残置ハーケンがあったがつぶれていてシュリンゲを通せない。滝を登っているとよくあるシチュエーションだが。甘〜いホールドを信じてじわりと越える。やれやれ。技術的にはここが一番の核心だったかな。


 Leoさんのザックを吊り上げるのに少し苦労した。カムを入れ、さらにFのさんと私を重しにして、Leoさんがロープにぶら下がって1段クライムダウンし、そこでザックを受け取ってあがってきた。普通に吊り上げると滝の流れに逆らって引き上げる形になり、相当重くて大変だったはず。それでなくても、Leoさんのザックはやたらと重い。そうめんセット、みそ汁セット、焼きそばセット、と食い物で重いのだが。

 ここ以外にも5m程度をフリーで登る滝、Leoさんによる確保で登る滝が多数。珍しく登攀系の沢登りか。


4m滝


 この滝は、滝身の左手を登った。泳いで取り付き、右にトラバースして、流れのすぐ左によいホールドがあり、そこを登る。トラバースはややかぶっているが、ホールドがいいのでエイヤと越えればよい。落ちてもドボンするだけだし、こういうところは思い切っていける。

 これは登れません。右岸を高巻き。



 12時。お昼になったので、そうめん。ひとりあたり150gを用意したが、なくなった。Leoさんの荷物も少しは軽くなったかな。

 2m滝


 この滝は、泳いで行って、滝にまともに打たれながら滝の裏側を右に抜けて、登り、突破したが、次の滝が登れない。泳いで戻り、高巻き。

 流れをまたいでどんどん進む。


 これは登れず、右岸を高巻き。


 15m滝。これも高巻き。


 左岸を巻いていくと古い道に出た。他の報告にもあった古い石積みと石碑があった。昭和5年。「木主」の文字。このあたりを伐採した際の記念碑なのだろうか。


 道を辿るが、すぐに途切れた。練習を兼ねて懸垂下降で沢身に降りた。


 しばらくで二股。3時とちょうどいい時間なので、ここに泊まることに。石ころをのけて整地し、ツエルトを張った。古い小屋跡で、泊適地だが、あまり泊まっている様子がない。ネットで遡行記録はいくつか見たが、今年入ったパーティは多くないようだ。

 やまいもめかぶ和え、やまいもゆかり和え(いるか)、豚肉入り焼きそば(塩味)3玉(Leo)、高級鯖缶(Fの)、ウインナ(いるか)、煮豚(Leo)、そして日本酒(のーきょー)。ごはんも炊いたが、ご飯前にお腹一杯。睡眠不足のため、食べ終わったとたん、気絶するように朝まで爆睡した。雨がぱらついたが、大雨にはならなかった。


●8月5日

 小雨が降ったりやんだり。どうせ全身濡れているし、増水が怖いような雨量ではないので、気にならない。ただ、雲が厚く、ゴルジュの中が暗くて写真がうまく撮れない。

水に入っても冷たくないので、どんどん行く。


 ウオータースライダー滝。右手も登れるが。




 ゴルジュまでの間には、あちこちにテント適地がある。ゴルジュが始まるとないが。

 連瀑帯が始まる。


 3連瀑のうえにさらに滝。


 記録では巻いていたような。登れそうではあるが、やや厳しいか。私なら巻くけどなあ。がLeoさんは「行けるやろ」。登攀系山行になってしまった。Leoさんが簡単にフリーであがり、ロープを垂らし、ハーネスのビレイループにカラビナを付け、ロープをムンターヒッチにして確保してくれた。ロープはピンピンに張られているので、セカンドが滑っても、止まる。フリーで行けと言われるとかなり怖いのではないかと思うが、確保されているので、安心して登れる。

13m滝


一見、到底登れそうにない。しかし、よく見るとZの形にバンドが走っている。
まずは、一段登って左から右に渡り、バンドを斜上し、さらにバンドを伝って滝の裏を通り滝身の右に出る。ここからは直上する。そんなに難しくはないが、高さがある。ここでもLeoさんフリーで登り、3人を確保してくれた。

小滝をどんどん越える。もう、どれがどれかも覚えていない。


奥の二股からしばらく行くとさらに二股。右俣は滝になって落ちている。登れそうにない。


水も涸れてきているので、左手の斜面を詰める。ちょっと登ると植林になる。稜線まで登ると登山道があり、道標もいくつか立っている。空身でぶなの平を往復したあと、八木尾に下った。雨が降っていて涼しかったので、助かった。


あまり人が歩いている様子はないが、道ははっきりしている。崩落しているところも1、2箇所だけだった。百前森山をトラバースして、606m地点に出てしばらく下った606mと394.7mの間の最低コルから八木尾に下る道がついている(関西起点100の記述は間違いか。)。最後に沢を横断するが、その沢が荒れている。豪雨被害で両岸の土砂がえぐり取られ、杉の大木が根元から倒れ、沢を埋め尽くして散乱していた。比較的新しい被害であり、去年の豪雨のときのものだろうか。
 


 倒木を越えて八木尾谷本流の水のない川原を渡ると、ちょうど車を置かせてもらった最後の民家のところだった。下山完了はちょうど3時だった。


 Leoさんのおかげで、たくさん直登ができ、充実した山行になった。直登が多い分、高巻きは少ない。しかも大高巻きはなく比較的楽に巻ける。踏跡は不明瞭だったが、今回、高巻きのルート取りはまずまずだったと思う。

 時間があるので、おくとろ温泉でお風呂に入り、ちゃやでジビエカレーを食べる。複雑な味でおいしいカレーだった。


      


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