立間戸谷から子ノ泊山 報告:ごましお

 囲炉裏に入村以来、何度も聞いた立間戸谷。多くの村民の報告があり、前から興味あった所。今回3人のリベンジに同行させて頂く機会に恵まれ、噂の谷へ行って来ました。


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【山域】  :南紀、熊野
【日程】  :2003年11月1日〜2日
【山行形態】:1泊2日(テント泊)
【メンバー】:MOGU、パルプ、薫、ごましお
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 ●2003年11月1日
 早朝、道の駅当麻に集合し出発。山麓の道は最近延伸したようで五条まで快適な道。誤って五条駅に入ったが、そこは薫さん号の強み、ナビの威力と人力で無事通過し、一路和気を目指して進んだ。道中の紅葉は、色づく前に落葉するものが多くて少し残念だ。途中、道の駅で南紀名物めはり寿司とさんま寿司を初めて味わう。素朴な味で野良仕事で食べたのも肯ける。ただ、シャリの中にな〜んにも入ってないのが寂しい。

 登山道入り口 10:30
 手前の広場に駐車して準備を整える。今回は沢装備とテント泊で少々ザックが重くなった。最初は植林の道を進み、しばらくして沢に降り中州を進と通称くぐり岩に着く。ここは初めてだと一瞬混乱するかもしれない。岩の右奥下をくぐり、直ぐ左に曲がってその岩の上に出ると、岩自体が登山道になっており、その先が見える。少し登って昨年のテン場に到着する。沢横の平地で、3人は去年の思い出を話してくれた。道は沢道になり右岸に続くが、テープが有るものの注意が必要に思う。ここから登りが始まる。途中には、殆ど朽ちて何時落ちても当然の木道が数カ所あった。子の年に整備されて以来放置されてるようだ。源ノ助滝を見送り、数本の沢を横切り、休憩をとり、鉄梯子を登ると後少しだ。

 テン場 12:30
 落ちそうな木道を降りて開けた二股にでる。登山道は右の谷に伸びるが、遡行は左の谷を行く。今日のテン場はここ、予想より早く到着した。既に1パーティがテントを張っていて宴会中で、テントには「東京○○○○」と書かれていた。この時期に東京から来るのだから、立間戸谷も有名なんだと再認識する。

 屏風滝
 テント設営後、早速たびたび耳にする「無重力の滝」に向かう。10分ほどで右に5m滝を見送り、巨岩のゴーロを行くと右前方に大滝が見え始めた。落ち口下の岩が剔れて、落ちる水が真下からだと下から上に登る錯覚を覚えそうだ。日が差すと虹が架かり、岩の色、水の白、七色の虹と青空のコントラストが美しい。こんな光景を観ると沢屋さんの気持ちが解る。そして、左壁を覆う柱状摂理の無骨な姿が美しさを倍増していた。
 


 テン場
 戻って宴会の準備に取りかかる。赤く染まった対岸のケヤキの大木が、午後の日差しに映えて美しい。木の葉が風に揺られて次々に落ちていく様は、秋を感じるには十分過ぎる。
 のんびりと時間が過ぎ、いつの間にか空き缶も増える頃、鍋を囲み始めた。今日の食当はパルプさん、色んな食材が次々に登場してみんな一斉に取りかかる。薫さんと私が中心、MOGUさんも調子が良さそうで、以前より多く食べらていた。時間が経つのを忘れて話していると何時の間にか夕闇になった。ここでMOGUさん、パルプさんが対岸のパーティの情報収集に出かけていく。すぐ戻ったパルプさんの話では、クロスカントリースキーと沢が主体の山岳会で、やっと帰ってきたMOGUさんの話では、関東の主だった沢は大体行っているそうだ。辺りは既に真っ暗闇なり、疲れとアルコールが入った体に睡魔が忍び寄て、早々にシュラフに入った。

●2003年11月2日
 起床 6:00
 夜中にテントを叩く雨音がしたと思ったが、どうやら夜露だったようだ。朝靄がかかり空は白い。日が昇ると晴れそうだが、さすがに朝は少し寒い。メンバー全員昨夜は飲み過ぎた、流石に体が重なぁ。

 出発 7:20
 昨夜の残りを平らげ、沢装備の支度をすると7:20になっていた。今日はおよそ600mの標高差だ、焦らずゆっくり出た。

 5m滝
 此処までは昨日と同じ、10分程で到着。

 牛鬼滝
 直ぐに現れる大滝だ、裾野が広い、およそ60m位か?。MOGUさん曰く、昔新人研修をここで行ったそうでロープワークで使える大木が右斜面に多くあった。その大木の右を卷いて、落ち口の上に出る。
 


 丸い渕と15m滝
 ゴロゴロした石に続いて、滑らかな渕を進み、15m斜滝釜に着く。ここで記念撮影。ここも右から卷く
 

 50m大滝
 ルートは左右に分かれるが、我々は左側ルートを選択、MOGUさんはこのルートを見つけるのに苦労したと話されていた。手前の左側に赤テープがあり、そこから急斜面を登り、少し右側に折れると、本日一番の核心部分が待ち受ける。足下を見ると落ちて行く水の下に滝壺が開いている、一瞬足が固まりそうになった。ロープを出し、私がビレイしてMOGUさんがトップを行き支点を確保する。こんな状況でビレイするのは初めてなので結構緊張した。およそ10mのトラバースを無事に通過。パルプさん、薫さんと続き、最後に私が回収しながら通過する間に、東京のパーティが追いついてきた。5人なのだが、それぞれ足が早い。やれやれ小休止。

 25m滝
 少しナメ床を歩くと滝が現れる。この滝自体より、その奥に聳える岸壁が印象に残る。右を卷いて通過。


 10m斜滝
一見登れそうだが、苔が付いてるので我々の技術では落ちるだろう。少し登って、右斜面に逃げた。登りきって降りようとしたが、底は落ち口、シュリンゲを繋いで確保して通過。

 40m滝
 この滝もルートが分かれるらしい。我々は右ルートを選択して、右斜面の上に切れ立った2回目の核心部分であるナイフリッジに向かった。

 ナイフリッジ
 最初は緩やかだが直ぐに傾斜が増し尾根に出る。名前通りの切り立った尾根だ。手前まで来ると急に視界が広がり、周辺の山々が見渡せるし、瀞峡ウオータージェットの放送も聞こえてくる。前方の核心でパルプさんはどうも足が上がらない様で、シュリンゲのお世話になっている。後には、東京パーティが通過を待っている、焦らず慎重に足を運んで三点確保で通過。私は奥穂のナイフリッジに比べて岩が脆い感じがした。先頭を行くMOGUさんは小滝に降りようとしているが、足場が良くないので懸垂のためロープを要求してきた。準備をしている間に、東京パーティは我々より上をトラバースして小滝の上に降りようとしている。MOGUさんも懸垂で降りようとしたが諦め、結局我々もトラバースして降り立った。

 ナメ床
 やっと核心を通過した安堵感から大休止。前方に光り輝くナメ床が続き思わず写真に撮る。


 作業小屋
 登山道と合流し左岸に朽ちた木道を見ながら進むと古い作業小屋が現れる。二俣で思わず直進しそうになるが、小屋前を右に曲がって通過。

 次ぎの二俣
 中州を通過して次ぎの二俣に到着。登山道はここで左に進み右岸を登るが、水が枯れている本流は右側らしい。

 次ぎの二俣
 此処でどちらに進か迷う。MOGUさんは眼鏡を忘れて地図が良く見えないようだ。パルプさん、薫さんのGPSではもう少し先に子の泊山がある様に見えたと思う。私は今回予備学習はなし、他力本願で付いて行くだけ。結局直進することになった。

 ナメと大岩
 落ち葉で埋まったナメ床は綺麗だ。確か1キロのナメ床が続いた筈だが、思った程長くないし大岩も転がっている。上の林道工事の影響かなとMOGUさんが疑いを持ち始めたようだった。他の3人はこの時点でも間違いを気づけなかった。

 林道
 植林帯に入るとナメ床も終わり、右岸の仕事道を上がると林道に出た。林道を左に取り下ると終点に着いたが・・・・、おかしい???、MOGUさんの記憶とも合わない。もう一度GPSで確認すると山頂はもう一つ左側の山を指していた。間違えた!!!。この時点で全員地図上で右に寄りすぎていることが判明したのだった。慌てて尾根まで林道を引き返して登ると三叉路に着いた。ここからは新しい林道が尾根伝いに延びているようだ。仕方ない、ゆっくり歩くことにする。

 子ノ泊山 14:20
 林道からおよそ1時間かかり標高906mの山頂に着く。晴れていれば太平洋が見渡せるが、空には雲が覆いかぶさり海岸線と海の境界がはっきりしない。予想より時間が掛かったので、早々に下山に入った。信頼を失いかけた薫さんのデジカメは、今度は記念撮影に成功して信頼を回復した。

 作業小屋
 山頂下の林道分岐を下ると、赤テープが付いた倒木が登山道の印だ、少し下ると林道終点と合流する。踏まれた道をドンドン下り、道標に沿って降りる。やがて河原に降り立ち二俣に着く。ここから作業小屋までは来た道を下るだけ。作業小屋手前に道標があるが、そのまま沢沿いに進む方がよいだろう。

 テン場 16:30
 作業小屋から下の道は朽ちて使えない。沢を少し下って登山道に上る所には赤テープがある。落ちそうな木道を進むとナイフリッジからの道と合流し、すぐに切れ立った岩を足元に注意しながら越す。ここから先はテープを頼りに忠実に下るが、一部見失いそうな所もあるので注意が必要だ。基本的に登山道は斜面をトラバースしながらテン場に繋がる谷まで一気に下っていた。谷に下りると右に曲がり、後は忠実に谷に沿って下るだけだたった。テン場には既に東京パーティは居なかった。


 登山道入り口 18:26
 夕闇が間近に迫る中、早々にテン場を後にした。17:30頃、ヘッ電を点けるため小休止を取る。辺りは真っ暗で、国道を通る車のライトが時々遥か前を通り過ぎて行く。久しぶりの闇夜の下山だ。MOGUさんは、数え切れないくらい経験されてるそうで心強い。テープと登る時の記憶だけが頼りになる。テープは赤色より黄色の方が見つけ易いことも判った。くぐり岩を抜け河原に出ると道を失ったが、薫さんの此処だとの地点から対岸に上がり適当に探すと、それらしき踏み跡が見つかり、途中道を徘徊しながらようやく入り口に辿り着いた。車に帰り着き、今回のリベンジ遡行は無事に終わったのでした。

 その後
 湯の峰温泉で汗を流し、十津川でラーメン食べて、道の駅当麻で解散後、自宅に戻ったのは日付が変わる前だった。

 最後に
 本格的な遡行は今回が初めてで、少し不安もありましたが、トラバースとナイフリッジが経験できて満足です。ただ1キロのナメ床を見逃したのは次の課題として残りました。また、MOGUさんも以前より回復されて、全員で山頂に立つ事が出来たのが最大の収穫でした。


      


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