【鈴鹿】犬上川・滝洞谷・・・・ 報告:キンゴ
〜華麗なる沢ヤの悲劇〜       

 年に1回しかデートしてくれない佐野さん、前回布引谷で不完全燃焼だった鬱憤を晴らそうとBAKUさん、今回始めましての小松さん達と、前から気になっていた滝洞谷に行く事に・・・・・・。

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[日  程]2001年12月2日
[場  所]鈴鹿・犬上川・滝洞谷
[メンバー]BAKU、キンゴ(以上沢雪山歩)、佐野、小松
[地  図]篠立 (二万五千分の一)
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 土曜の夜23:30会社から出発。
 行く途中、名神のSAでうどんを食べて、彦根ICを降りてすぐのコンビニで買い物をして、滝洞谷の出合に向かう。出合から林道を進むとすぐに墓場があって、そこの駐車場にBAKU号が止まっていて、テントが張ってある。
 深夜1:30到着。しかしテントの中からはイビキ声が・・・・。皆さん眠っているようなので、1人で車の中で宴会を楽しむ。

 朝6:30頃、もぞもぞと起き出して、朝食を済ませて8:00出発。
 右岸の小道を少し進むと堰堤が現れる。堰堤の手前の橋を渡って右から堰堤を巻き上がり、砂利で埋まった谷を進むとすぐにゴルジュとなる。前方には80m位の壁が立ち、いきなりのゴルジュに感嘆の声が飛び出す。
 まずは、流れの無い釜の向こうに3mの枯滝。しかし濡れたくないので釜の手前の右岸を巻き上がり、滝上に懸垂下降で降り立つ。
 
 しっかり両壁が立つ中で、谷は右に折れる。次に出てくる2m2つも、フレンズ等を使って突破して行くと、釜を持った枯滝5m。釜を持った枯滝って、変な表現だが、この谷は釜に水は溜まっているんやけど、谷に水は流れていないのである。ここはかなりいやらしい。左岸の壁に残置ハーケンが3つあり、佐野さんがトップでアブミを2つとシュリンゲを使って突破して行き、小松さん、BAKUさんと後に続き、最後に私がアブミ等を華麗に回収しながら、ひらりと乗り越える。でも実際は、「アブミ回収したら、どうやって行くんやぁ〜」と・・・文句タラタラやったらしい。(^^ゞ
全員滝上9:17

 すぐにCS3mやけど、足場が無い。ここも佐野さんがハーケンを打ってアブミをかけて乗り越す。さすがやなぁ〜。小松さんとBAKUさんが後に続くが、アブミに慣れていないのか、かなりてこずっている。BAKUさんのお尻を押し上げた後、お助け1本で乗り越える。・・・・・ん? ちゃうちゃう、シュリンゲを掴んで華麗に乗り越える。  やったワ。 (^^ゞ  9:48

 両壁が狭まった中のS字クランクは、快適に登って行ける。
 小さな釜2つを超えると4mの枯滝。ここは簡単に右側を巻いて行くと滝上にも小さな釜が2つ。この辺りを‘腐った5つ釜’と名づける。
 釜の中から腐った死体さんが現れて「金のザイルと銀のザイル、お前が落としたのはどっちや?」と聞くので「両方とも、腐ってるやんけ!」と答えると助役さんは頭を掻きながら、釜の中に消えて行った。(^^ゞ

 右にえぐられたようなゴルジュ状のルンゼを見て進むと、またまた枯滝4m。なんか異様な臭いがする。「この辺の水、腐ってんのとちゃうかぁ」などと言いながら滝を登ると、鹿が死んでいた。(*_*) 落ちたばっかりやぁ。
 立派な雄鹿やのに、落ちたら終わりやなぁ。

 この先、両壁が狭まってゴルジュとなり、3mを超えて行くと壁に突き当たる。行き止まりのようやけど左岸の壁の裏側に筒状の枯滝8m。
 ここは登るしか手が無いなぁ。そやけどほんまに井戸の底みたいやなぁ。
 ガイドブックじゃないけれど、光を求めて這い上がる。ザイル2本を腰に付けて取りつき、少し登ってハーケンを打ち込み、もう少し登って2本目のハーケンを打って、それにシュリンゲをかけてアブミ代わりに使い、その上で足を突っ張って小休止。下から焚かれるフラッシュに気分を良くした華麗な沢ヤはVサインを送る。「余裕やなぁ〜」とBAKUさん。ところが実際はそうでもない。ここからは手掛かりが無く、もう1本ハーケンを打ってシュリンゲを掛けて、それを手掛かりに乗り越そうと試みる。11:00頃

 ここまでは、毎度ながらの山行報告。ここからは事故報告になります。

 3本目のハーケンにシュリンゲを掛けて、それを引っ張って乗り越そうと体重をかけたときに、ハーケンが抜けて私の身体も落ちる。ぶら下がるかな?と思ったけど2本目のハーケンも抜けて両足を突っ張った状態で沢床に叩きつけられる。身体の芯に衝撃が走って悶え苦しむ。しばらくは呻き声しか出ない。
 昨年、比良で遭遇した滑落事故が頭をよぎり、内臓が破裂していないか思い切り不安になる。貞子の怨念かなんか知らんけど、こんな井戸の底でモタモタしてられへん。そやけど、立ち上がろうにも身体が言う事をきかへん。くそぉ!

 そう言えば昨夜、1人で宴会をしてた時、目の前の墓場が歪んで見えたのは、気のせいじゃぁなかったんかなぁ。
 しばらく時間が経ち、必死の思いで立ちあがる。腰と胸部に激痛が走る。
 壁伝いに腰を曲げて進み、四つん這いにもなりながら、亀よりも遅いスピードで来た道を戻る。来る時は面白かった手応えのある滝も帰りは地獄や。
 始めのうちは、回りの雰囲気を和ませようと冗談を言ったりもしてたけど、そのうちそんな余裕もなくなって、苦しいのと痛いのとでフラフラ。
 この谷だけは、一生避けて通りたいと、弱音根性。
 佐野さんの適格な下山工作で、何とか戻って来れました。
 そやけど、一番最後の胸まで浸かって釜を越えるのにはまいった。
 怪我を負って、深さの解らない釜を真っ先に進むのには、かなり勇気が必要になる。堰堤からは、BAKUさんが先行して救急車を呼びに行ってくれる。
 生まれて初めて救急車に乗りました。救急車の中では、MOGUさんがマムシに噛まれたときに、松坂まで運ぶ途中で車が曲がるたびに痛い痛いと呻いていた事を思い出してました。診断の結果は背骨の圧迫骨折の恐れがあることと、肋軟骨の骨折です。

 今回の事故の原因は、ハーケンの打ち込みが甘かった事かな?昔、先輩に言われた事は「ハーケンが効いてるかどうかは、ハンマーで思いきりしばいても、びくともせぇへんかったら効いてる」
 少し小突いた位では解らんわな。


      


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