御嶽 鈴ヶ沢  報告:のーきょー

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【日程】2012年7月29日(前泊日帰り)
【山名】御嶽
【行程】
7:30 林道終点(ゲート)
8:00 入渓(最初の橋)
8:55 大滝
10:35 1600m二俣
11:20 1700m三俣着 実質的な遡行はここまで。
12:10 そうめんを食べ終えて三俣発
13:10 小三笠山から北に延びる稜線のコル
13:35 小三笠山から東にのびる小尾根を乗越して中俣に入る。
15:20 中俣から林道にあがる。
16:40 林道終点に戻る。

【メンバー】いるかさん、いぐやまさん、Fのさん、のーきょー
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 夏山山行準備第二弾。候補にあがった鈴ヶ沢の記録を見てみると、なかなかきれい。あいかわさん、りんごさんらが行った記録もあった。遡行はそれほど難しくないようだが、中俣に入る際、薮こぎで苦労した記録が多い。薮こぎを避けるべくルートを研究し、小三笠山の北面を回り込むようなルートがよいとの記述を見つけ、それをGPSに入れた。このときは、なぜそのルートだと薮が薄いのかは分からなかった。

 土曜日に灼熱の蓬莱でヘロヘロになり、帰宅。さらに畑仕事。その後、沢で食べるそうめんの準備。だしをとってつゆを作り、だしに使った干し椎茸を細かく切って甘露煮。錦糸玉子を焼いて、庭からネギをひいてきて小口切り。おろししょうがも入れれば、トッピング4種。素麺はお中元でもらった高級品。これで準備は完璧だ。

 大内ICで、いるかさん、いぐやまさんと合流し、道の駅三岳へ。登山客か釣り客らしい車が泊まっている。隅にテントをはり、ベンチで宴会。いぐやまさんは、5.12が登れるクライマー。見るからに頼もしい。半袖だと寒いくらい。涼しい。

 7時ころ、道の駅を出て、王滝村を抜け、鈴ヶ沢へ。気温20度。林道終点に立派なゲート。ゲート前に駐車。既に1台、所沢ナンバーの車が止まっている。6,7人の沢登り装束の人たちが手持ちぶさた気味に待っている。おそらく、田の原に車をデポしに行っていて、その帰りを待っているのだろう。

 こっちも準備して先発。

 林道に入り、すぐ右手に折れる分岐に入る。ゲートから本当にすぐのところなので、この分岐を見落とす人もいるようだ。右手に180度曲がり、鈴ヶ沢沿いに登っていく。20分ほど歩いて最初の橋。さらに林道は続くが、ここから入渓。バイクが1台停めてある(沢の中にアクアステルスの沢靴と思われる足跡があったので、単独行の人がいたのだろう。ちなみに、下山してきたとき、バイクはなかった。その代わり、奈良ナンバーのミニバイクが2台おいてあった。)。

 体を慣らしながら、遡行。小滝もあるし、ナメもあるし、結構きれい。

 

 2つ目の橋が見え、橋の上に人の姿。所沢組は林道を歩いて2つ目の橋から入渓のようだ。10人近い大パーティ。初心者らしき人もいるし、かなりの年輩の人もいる。追い抜いて先に行かせてもらう。

大滝


 25mと記録にあったが、もっとありそう。記念撮影をして巻道を探す。普通の感覚だと右岸か。見ると明瞭な巻き道があった。最初は草付き。大峰・大台だと草付きではなく、いきなりブッシュが生えていることが多いが、雪が多いので沢に近い部分は草付きになるのだろう。すべると草しかつかんでいないので止まらない。慎重に登る。岩もあるが、浮いている。落石しないよう慎重に登らなければならなかった。少しあがるとブッシュが出てきて楽になる。傾斜はきつくモンキークライム。もうちょっと怖かったらロープ!と叫ぼうと思っていたが、その前に越えてしまった。巻き終えて小休止しているとき、後続パーティの「落!」の大声がしていた。人数が多いと余計に怖いだろう。
 ここ以外に大滝はなく、登れない滝にはすべて明瞭な巻き道がある。どんどん進む。
 5mくらいの滝
 滝の右側が登れそう。井口さんやいるかさんは難なく登るが、足下が滑る。ロープを垂らしてもらい、一人だけ確保ありで登った。ハンドホールドがよく、なくても登れたが、まあ、あれば安心。

 

 小さな斜滝
 左岸を簡単に巻けるが、Fのさんが釜を泳ぎ渡り、滝身の左手斜面に取り付いて登った。もちろん、水から上がるときのお約束のドボンもあり、みんなで歓声をあげた。井口さんは対岸から飛び込んで渡り登った。年寄り2名は体を冷やすと毒なので、巻きを選択した(^^;。泳いだFのさんはかなり冷たかったようだ。


 ステミングで登れそうだが、落ち口を抜けるところがどうなっているか。落ち口から落ちるとかなりの距離のウオータースライダーになる。行けそうだったが、結局、日和って、へつって戻る。へつって戻るのもかなり厳しく、落ちそうだった
 

 流れが消える。


 1600m二俣

 左俣を少し登って中間尾根を乗越して右俣に戻ると良さそうだ。左俣は苔がびっしり生えている。スポンジの上を歩いているようで、若干気味が悪い。尾根を越えてすぐ下ろうとしたが、切れ落ちている。さらに尾根の上から回り込むとすんなり降りられた。踏み跡は薄く、もう少し小さく巻く正規ルートがあったようだ。
 


 奥の3つ俣着。

 時間もあるし、天気も回復。日差しも出ている。そうめんを作る。2回にわけてゆであげたそうめんを完食。若い2人はよく食べてくれる。やはり、夏の沢は素麺だ。

 


 2回目のそうめんを食べているとき、所沢組が追いついてきた。やはり田の原まであがるらしく、本流を詰めていった。

 さて、われわれは中俣下降なので、三俣で一番左のがらがらの沢を詰める。荒涼とした雰囲気。火山だからかと思ったが、他にも原因があった。

 御嶽崩れ「1984年に発生した長野県西部地震によって御嶽山とその周辺では4個所で大きな地すべり・斜面崩壊が発生し、合わせて29名の人命がうしなわれました。写真はその中でも最大の伝上川上流で発生した斜面崩壊で、その土量は3400万立方米に達する。崩壊した土砂は伝上川・濁川・王滝川を12kmに渡って流下し、数十mの厚さに堆積した。崩れた土砂はほとんど全て直下の伝上川に流れ込んだ。」
http://lsweb1.ess.bosai.go.jp/lsview/landslide-view/ontake.html

 山体崩壊した土石流の大部分は、標高1850mあたりで左に方向を変えて、伝上川を流れ下った。しかし、崩れた土石流の一部は、対岸の斜面を標高差100m以上も駆け上がり、小三笠山のコルまで達した。さらに鈴ヶ沢右俣、中俣の上部にも一部流入した。

 なので、鈴ヶ沢の源頭部から中俣への乗越は、このときの土石流堆積物の上を歩くことになる。28年が経過し、土石流堆積物の上にも灌木が生えている。しかし、土石流におそわれなかった原生林(針葉樹林。小三笠山山頂付近から南側。)より植生は薄く、ほとんど藪こぎらしい藪こぎをしなくても歩ける。いまだに裸地もあちこちにあった。

 Google Mapからとってきた航空写真。

 赤線が、今回の鈴ヶ沢右俣を詰めて中俣に入る際のルート(手書きなので、アバウトだが。)。このルートを取ったのは、ネットで見た遡行記録にこういうルートが藪が薄くてよいと書いてあり、現地でも藪の薄いところを進んだからだが、こうしてみると、御嶽崩れをまぬがれた原生林を避け、御嶽崩れの堆積物を辿るルートになっている。
 小三笠山は山頂部だけを残し、裾の部分は土石流で樹木がなぎ払われている。


 御嶽崩れの崩壊地がガスでよく見えなかったのが残念。29名の遭難については、それぞれ色んな悲話があるようだ。

 というわけで、いまだ土砂が堆積している中俣源頭部の急斜面を下り、中俣に入る。滝も少しあるが巻き道が付いている。ナメも少し。ほとんどが平流。1mほどの小滝をどんどこ下り、堰堤を2つ越したら、林道に出た。また沢を下ってもいいのだが、かなり長時間行動となり、疲れも出てきているので、林道を歩いて帰ることにした。


 ゲートに所沢ナンバーの車はなかった。そのかわり、出発時にはなかった車が3台駐車していた。盛夏の週末にはかなりの数のパーティが入渓している人気の沢のようだ。

 立ち寄り温泉は、王滝の湯。村から4km、そのうち2kmは凸凹地道を走ってたどり着く秘湯。不便な場所にあるが、5,6台車が止まり、客は多かった。一般住宅のような作りの簡素な建物。源泉掛け流し。洗い場は3つ。縦2m横4mくらいの木製の浴槽。500円。土日祝のみ営業。12時から19時。
 


 夕食は、王滝食堂で、いのぶた鍋。甘辛い味噌味仕立ての鍋。なかなかおいしく、汁も含めて完食した。ご飯、すまし汁、漬け物がついた定食が1500円。

 19時すぎに王滝村を出発し、中津川から中央道に乗って帰った。


【後記】
 滝の形が近畿の沢とは違う。岩も火山性の岩。幽玄といった雰囲気はない。明るく開けた沢。かなりたくさんの人が遡行しており、巻き道は非常にしっかりしている。東京圏から多くの人が入っているのだろう。楽だが、巻きのルートファインディングの楽しみはない。

 滝の登りで私だけ1回ロープを出してもらったが、上手な人なら不要。あとはロープの必要と思われるところはなかった。

 ウオータースライダーみたいな形の滝が3つ、4つ。ウオータースライダー滝には、直登にトライできそうな感じの滝が多かった。失敗してもドボンするだけで済みそうだが、冷たいしなあ。

 そうめんもうまくできて喜んでもらえたし、藪こぎのほとんどないルート取りもでき、なかなかよい山行でした。遡行距離約4km、遡行標高差700m、下降距離約2.4km、下降標高差480m。あとは林道歩き。


      


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